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アニメ「四畳半神話大系」を観終わりました

この物語は薔薇色のキャンパスライフを夢見て大学に入学した男子学生「私」が、たくさんの勧誘の中から自分が所属するサークルを選ぶところから物語が始まる。「あの時違うサークルを選んでいたら・・・」「はたまたどのサークルも選ばなかったら・・・?」「選択と可能性」によって四畳半に広がる無数の世界。狭くて広い四畳半世界に次々と展開されていくドタバタ四畳半SF作品
であり、個人的におすすめする1,2位を争うアニメです。

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あるサークルでは実験と権力を振りかざして、その様は一国の王様のようにふるまい、テニスサークルに所属しては小津と共に人の恋路を邪魔する「黒いキューピット」として名を馳せ、映画サークルに所属しては城ヶ崎の告発映画を作ることに奮闘する。サイクリング同好会に所属してはママチャリでレースを走ることになり、樋口師匠に弟子入りしては城ヶ崎とのイタズラ合戦に明け暮れ。あるいはソフトボールサークルに所属しては怪しい健康食品に浪費し、英会話・ヒーロー・読書と三つのサークルを掛け持ちすれば女性トラブルに巻き込まれる。

しかし、そのような不毛なキャンパスライフを送った「私」だったが、その散々としか思えないようなキャンパスライフが10話の四畳半に住んでいてそこからは出られなくなってしまった「私」からすると、もうそれがバラ色のように思える。

四畳半の部屋が全て自分がサークルを選んだパラレルワールドなのだという真相に気づいたときのセリフが心に残っている。

ほんの些細な決断の違いで私の運命は変わる。無数の私が生まれる

SNSで書き込みをしている自分
ゲームに興じる自分
部屋に引きこもっている自分
外に出て積極的に人とかかわる自分
積極的ではないにしろ人と関わっている自分

色々な自分がこの瞬間に生じている。
現実社会ではこのアニメのように時間を戻れたり、パラレルワールドを垣間見れる能力は備わっていないが、今現在、数ある選択肢の内、別の選択肢を選んだ自分から見れば、喉から手が出るほどに素晴らしい選択をしてここにいるのかもしれない。

そう考えるとあの時、休学を選んだ僕の選択は間違ってはいなかったのだろうか?
と思い立った。


ありもしないものばかり夢見て、自分の足元さえ見てなかったのだ


少し見る立場を変えてみると今まで散々だと罵ってきたあのキャンパスライフが如何に尊いものとは、その時に気づかなかったものだが、いざそういう立場に追い込まれてしまうと、理想ばかりを追うのではなく、たまにはふと自分の人生を俯瞰してみるのもいいと思う。


不毛と思われた日常はなんと豊穣な世界だったのか


四畳半に籠城できたのも、いついかなる場合でもその四畳半から出てこれると感じていたからであり、「もしこの部屋から出られたら」、「カフェのパスタを食べ、猫ラーメンをすする。銭湯の広い湯船に浸かり、河原町で映画を観る。書房の親父とやり合い、大学で講義を聞くのも良い。樋口に弟子入りして、羽貫に連れ回され、城ヶ崎の映画製作に付き合い、秘密組織にも身を置いてみたい」。そう、これらは全て、「私」が今まで自分で成し遂げた上でうんざりし、後悔の念を押し付けてきた生活だったのだ。




他にも

可能性という言葉を無限定に使ってはいけない

という名言があるのだが、
「もっと有意義な生き方があったかも」。自分の今までの選択が正しいものであったのか次第に判らなくなってしまった「私」は、偶然か必然か丁度ご飯に誘ってくれた樋口にその気持ちをぶつける。「私は自分の可能性を信じてここまでやってきました。しかし何故だか心が寒い」「私が選択すべきはもっと別の可能性だったかも」

それに対する樋口の一言目がこれなのである。別の選択をしていたら今より良い生活を送っていたかもしれない。その可能性は無いわけではないが、だからといって、ただの「可能性」という、たいして当てにならないものに目を奪われ望みを託すより、今ここにいる自分以外の何者にもなれない自分を認め、今この自分としてどっしり構えて生きていけ。

人は、何か身の回りに悪いことが起きるとあの時ああしていればな、とかそういう様に考えてしまいますが、可能性という言葉を
無限定に使ってはいけない。という言葉には、可能性を使い放題にしてはいけない。という様に解釈すると
あれこれ可能性を追っても仕方のないこと。という様に解釈できる。

例えば、僕が難病ではなく、普通の男子学生というのも考えられるし
また、休学しないで若しかしたら奇跡か何かが起きて内定も貰っていたのかもしれない。

という世界が存在していたとしても、自分が選ぶ道は一つなのだから、そういう可能性を振り返ってみても仕方がないのですね…



この作品はこのFODプレミアムで閲覧可能ですので、よろしければどうぞ。




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